麒麟獅子の名品

おもと麒麟獅子
麒麟獅子
らせん状にひねりが効いている

 時代を超えて愛される万年青(おもと)の魅力。毎年繰り出される数枚の葉は、唯一無二の形状、柄(縞の入り方)、覆輪の深さ(幅)で見る者を楽しませてくれる。生長点の基部から数ミリの葉が出てきたかと思えば、ぐんぐん伸び始めて、ひねりを効かせ天空へと立ち上る。対になっている反対側の葉は、くるりと丸巻きに。麒麟獅子は、その実生でも容姿が似たものが麒麟獅子として出回っているそうだが、そいつはちょいと頂けない。
 写真の麒麟獅子は、なんとも魅力的な葉を毎年産み出している。実生でなくとも、麒麟獅子も様々な系統があると思われる。櫛目最上というよりは、派手に縞がくっきりと入って丸巻きのもの、覆輪や甲竜に黄色味を帯びた白が、深くしっかりと入ったものなど。そして甲竜や覆輪の白は、やがて牛乳のような限りなく濁りなき白色(乳白色)に変わっていく。
 夏の夕暮れに、よく冷やした純米大吟醸酒をチビチビやりながら鑑賞するひとときは、すべての感覚が解き放たれる。まさに至高の銘品。