温度管理をIoT化

人工知能AIや機械ロボット、通信技術を駆使したスマート農業が最近新聞等で取り上げられている。収穫や栽培管理のノウハウをコンピューターに覚え込ませ、人手不足の解消や技術的に未熟な新規農業者のサポート、敬遠される農作業を効率よくロボットにやってもらおうというわけだ。技術革新を歓迎する一方で、あまり人の手が介在しない方法によって作られる農作物には、魅力を感じない。

産業革命時に起こった、ラッダイト運動の首謀者を気取るつもりはないが、土壌微生物の有機的な働きや、その土地特有の気候風土であったり、育てる人の感覚、判断のタイミング、情熱や人柄は、必ずといってよいほどその人が作る作物や加工品の重要な味として現れてくるからだ。といいつつも、最新の技術を全く受け付けない、頭の硬いコンコンチキになってはいけないので、便利なものは取り入れていこう。

ビールとスマホ
夕方、風呂上がりにクラフトビールを飲みながら、スマホで遠隔地の温度確認ができる時代。

さて、ビニールハウスのサイド巻き上げを、手動で上げ下げしているので温度や風の強さによってきめ細かく調節しなくてはならない時期がある。その確認のために、気になる時は休日、ゴールデンウィーク、お盆休み関係なく、自宅から8kmほど離れた会社の圃場へ車を走らせることもある。そして、結果的に見に行かなくても良かったケースが多々あったりする。なので無駄にガソリンを消費して、現地の温度計を見に行かなくても済むよう、この度、温度データロガーをIoT対応のものにした。カーボンニュートラル、なるべく化石燃料の浪費は抑えたい。

おんどとり
WiFi 接続可能なT&D社のおんどとり Thermo Recorder TR-71wb

本体にも単3乾電池が内蔵されているが、交換が面倒なのでモバイル用ソーラーバッテリーにUSB2.0ケーブル 1.8m (タイプAオス – miniBオス)で接続し、USBバスパワーで駆動させることにした。設置した温室は、事務所のWiFi 電波がギリギリ届くので無線LAN接続して、T&D社の提供するクラウドサーバー上に測定温度データが自動送信される仕組みだ。外出先のスマホやインターネットにつながっているPCの画面から、いつでもチェックできるので非常にありがたい!

温度、グラフでも確認可能