記録的猛暑2021

おんどとり
今年の夏は暑い。畑にぶら下げてある温度記録計。15時45分の気温、32℃。

先日、豪雨のようなまとまった雨が降ったおかげで、畑の土が潤いました。さすがに乾燥に強いブドウといえども、この春植えたばかりの苗木は根の張りが不十分。枯れないか心配していましたが、何とか持ちこたえ息を吹き返したようです。

植えて何年も経っている樹は、これくらいの乾燥はもろともせず、しっかりと実をつけています。そして、この厳しい環境にも負けず唯一まともに育つVitis Viniferaが、シャルドネ。

シャルドネ
シャルドネは、強い。

樹幹、水平コルドン部がマイナス20℃に爆されても、芽が凍死することなく生き残っているが不思議です。シャルドネ特有の環境適応力なのでしょうか?本来、そこまでの耐寒性は備えておらず、冬越しするための細胞内脱水能力や樹液糖度凝縮能力も、ヤマブドウや北米原生種及びそのハイブリッドのように高くはないはずです。この畑で多くのヴィ二フェラ種が、厳冬期には芽の中の水分が凍結膨張するなどして、細胞組織が破壊され枯死にいたったように。シルヴァーナーも、根本から根気強く新梢が出てきますが、やはり雪の少ないこの地域での越冬は芽にとっては無理のよう。

シルヴァーナー
生き残っているシルヴァナー。

シャルドネもシルヴァナーも、防除は控えめですがカビ系の病気には強いよう。過去にツヴァイゲルトレーベだったですかね、葉がうどんこ病にかかりましたが、1~2度の殺菌剤散布で収まる傾向です。特にここの畑では、品種によって黒とう病(Anthracnose)に罹患しやすく、5月下旬~6月初旬のBudbreak(出芽)後の、適度な殺菌剤散布が必要です。過去にはカスミカメの食害有りと診断して頂いたこともあり、シーズン最初の防除(殺菌・殺虫)は必要だけど、その後の防除暦というのは、ほとんど無しでいける品種があるということも分かりました。台木などは、葉はマメコガネに喰われますし(マシンガンで撃たれたように葉は穴だらけ)、樹幹はいわゆるカミキリムシの幼虫に穴を開けられ芯を食われたりもしますが、基本的にはもうまったく防除ゼロで健全に育ってしまいます。
一方、ピノ・ノワール、メルロー、ツヴァイゲルトレーベ、ケルナーなどかなり多くのヨーロッパ品種は、黒とう病にやられ、その後の成長に支障をきたしました。シルヴァーナーは分かりませんが、シャルドネは黒とう病に対して耐性があるのでしょうか。図鑑等では、やや罹患しやすいとなっていますが。
シルヴァーナーの背景に写っているのは、山幸です。ヤマブドウとの交配種は強い。ほったらかしの当グダグダ・クサボウボウ・ヴィンヤードでも、実にその強健振りを発揮しており今秋は果実の収穫を予定しています(サンプリング程度)。評価中のハイブリッド品種含め、比較対象のため様々なブドウ品種を植えておりますと、ダメなものは全くダメだし、この土地と気候にあった品種はそれは見事な成長を見せてくれます。この畑の表土は、アロフェン質多腐食性黒ぼく土で樽前山からの火山灰がわんさか降り注いだ土地です。果たしてその土壌が今後の成長にどう影響を及ぼしていくのか、楽しみでもあります。日本は火山列島ゆえ、火山培土の畑が多いと思いますから、そういった土壌で育つブドウ樹のワインの味というのが、日本ワインのテロワールの一つとして特徴づけられないのかな?と思ったりもするわけです。