今年は、ぶどう畑に害獣避けの超音波発生器を設置するのを失念していた。てっきり、チョッキリ虫にやられたかと思いきや、新梢ではない固い枝先が咀嚼されたものも発見したので、シカによる食害と判明した。後日、蹄の跡が地面に残っていたので、そういうことであった。超音波発生器の設置後も、被害が収まらず従来の電気柵を張り巡らすことに。エリアによっては、かなりの新梢を食べられてしまったので、今年樹幹作りが完成する予定が、1年遅れることになりそうだ。実に切ない気持ちになったが、まぁ、起きてしまったことは仕方ない。
ちなみに、例年この畑でチョッキリ虫が現れるのは6月下旬から7月の始めにかけてなので、随分と被害が出る時期が早いものだなぁと思っていた。
凍害、病害、虫の害など栽培者を悩ます事がらは、圃場によって異なると思われるが、ここでは、もっぱらシカ対策が最重要事項になりそうである。
ここ数年は、近隣でメガソーラーの建設により原野が切り開かれていた。その工事騒音に伴い、シカが出没しなかったのかもしれない。一時、クマが出たこともあったから、それも影響していたか?なので、ちょっと、油断していたのである。
それにしても、再生可能エネルギーの一つとしての太陽光発電。ある電力会社の説明文には、「発電に化石燃料を使用しないため、二酸化炭素の排出を抑制できます」と書いてある。だけどさ、隣りで建設拡張中のメガソーラーは、森林を伐採しまくって、地面を剥き出し丸裸にしてまでソーラーパネルを設置している。炭酸同化作用のある樹々をなぎ倒し、炭素が固定されていた森林の土壌がほじくり返されている。虫や鳥、シカやネズミなども生息環境を奪われたことだろう。原子力発電に比べれば、危険性は格段に低いかもしれない。しかし、何が二酸化炭素の排出抑制なのか?馬鹿じゃないのかと言ってやりたい。
ソーラーパネルを新規に設置する場合は、条例ですでに開かれた他に利用価値のない土地、建物の屋上などに限定し、森林を新たに伐採してまで建設を進めるような事業者には建築許可申請を出さないようにすべきである。森は、蒸散による大気の冷却効果もある。政府は、温暖化対策がどうのこうのとスローガンを掲げているが、その足下で貴重な資源が失われている。そして北広島市よ、今後は市街化調整区域での開発をこれ以上容認するべきでない。札幌近郊で、今までこれだけの里山が残されているのは、奇跡とも言える。しかし、特に近年は開発が進み、林野部が大規模に失われている。街が活性化するのは、好ましいことだけど、人口減少時代にこれ以上、市街化や工業団地の拡大は、不要ではなかろうか。納税事業者として、改めて強く抗議する。一体どれだけの景観が損なわれたというのか。こうなってくると、最後の手段としては、手付かずの林野部を保護するために、個人所有の土地に関しては買い上げて永久保存するしかない。そうしたら、多少はクマもシカも生活圏を追われることもなく、出没しなくなるだろう。私財を投じ、基金創設だって考える必要が出てくる。
市内ど真ん中に、野幌原始林があり竹山高原温泉、輪厚、仁別・島松から空沼岳、札幌岳、恵庭岳、漁岳など支笏洞爺国定公園へ続くルート。札幌方面へは、清田区有明へ繋がり、滝のすずらん国立公園にも通じる広いエリア一体を、なんなら国立公園指定するくらいの価値がある。この辺も、裾野にカントリークラブがいくつかあるものの、広大な陸上自衛隊の演習場があるから、現在も開発の手から逃れることができているのだろう。こうなってくると市町村をまたぐから、知事クラスの権限が必要になってくる。これくらいのスケールで物事は考えるべきで、2030年に札幌に再び冬季五輪を召致するなど、全くもって論外だ。貴重な血税は、他にも資するべきものがあるはずだ。日本ハムファイターズが使用しなくなってしまった札幌ドームの維持管理費や活用はどうするのか?後世にツケを回す札幌市政にも文句がある。もっと長い目で俯瞰できる知性と良識ある経営感覚に優れたリーダーは、いないものだろうか。
ところで、ソーラーパネルのリサイクル化はどれほど可能な状況なのだろうか?いずれ大量の産業廃棄物として丸々埋め立て処分なんていうことになれば、再生可能エネルギーなどと言えたモノではない。シカの食害から、随分と飛躍した話しをしてしまった・・・