
お正月まで少雪暖冬の傾向だったのですが、1月中旬を境に大雪となり積雪が一気に増えたことで、辺りはようやく北国らしい冬の景色に変わりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

低気圧の通過で外は大荒れの天気でも、ハウスの中は静寂に包まれています。Plant Space Vineyardでは、ハウス内のブドウ母樹を十分な寒さに当て完全に休眠させてから穂木採取と剪定を始めます。私どもの場合は11月~12月にやってしまうと、まだ樹が樹液を吸い上げている状態なので、切り口から樹液が流れ出てきます。これは完全に休眠していない状態ですから、人間に例えると麻酔が効いていない状態で、外科施術されるようなもの。
冬に備えた順化も途中段階ですから、でんぷん・糖分も濃度が薄く凝縮されていない。一般的なヴィ二フェラ種は、厳しい冬の寒さに向けて不凍液のような成分を樹体内に生成したり細胞内の水分を脱水する段階的な適応プロセスは持たないため(耐寒性ハイブリッドと比較して、その機能が弱いとされる)、マイナス15℃~20℃以下の低温に遭遇すると、芽や樹幹が凍害を受け損傷または枯死してしまいます。
一方で私共が取り扱う耐寒性ハイブリッド種の場合は、落葉したからといって剪定時期が早過ぎると、未熟なため保管中に凍害に遭いやすく栄養価も乏しい穂木となってしまう。翌春に健全な苗木として育苗する際に影響が出ます。ですから、枝がしっかりと熟成する年明けの1月中旬から下旬にかけて剪定を行うのです。しっかりと寒締めした健全な枝を採取することで、より良い苗木作りを目指します。

30cm~45cmの長さに切り揃え、そのまま挿し木できる状態に加工。枝の太さは8mm~18mmの範囲を良品規格としますが、丈夫な品種は5mm~7mm程度の太さでも育苗管理をしっかり行うことで、芽吹き発根させることが可能。
