
血気盛んな若いころは、ルーティンワークなんて刺激の足りない退屈な仕事!そんな面白みのかけらも感じられない反復的なことなんて、ちっともやりたくない!なんて思っていた。もっと創造的でクリエイティブ、毎日ワクワクしながら仕事がしたいんだよと。一方で、ワーカホリックというか、いわゆる仕事人間にはなりたくないとも思っていた。しかし、48歳を目前にして、いや待てよ季節的なルーティンも悪くないな・・と思えてきた。おぃ!どうしたんだ俺!(自己分析ではあるが、私はどうやらHSS型HSPという性分で、傷つきやすいのに、刺激を求めてしまうという人たちに分類されるようである。参考図書;Thrill : The High Sensation Seeking Highly Sensitive Person 邦訳は「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」。 セルフケアとして役立ったのは、「The Artist’s Way」。邦訳邦題は「ずっとやりたかったことを、やりなさい」。HSS型HSPを理解するために大変参考になるのが前者であり、ヨガや瞑想、ウォーキングなどのフィジカルなケアワークと合わせて、後者のThe Artist’s Wayはネガティヴな思考の癖など含め、いままで長年にわたり囚われてきた何かから自分を解放させることに役立っている。良書である。)
さて4月24日、ようやく休眠期の防除※を屋内・屋外ともに実施することになった。本来であれば、もう少し早い時期に行うのがよいのだけど、アレやコレやと他の業務に追われていると時間はいつの間にか過ぎていた。
※今回は殺菌剤(FRACコード1、有効成分べノミル。商品名で言うとベンレート)の散布のみ。当所では、主に黒とう病対策に実施している。また、いわゆるカミキリムシ系に効く樹皮内部に浸透していく殺虫剤は単体で施用しなければならいので別の日に散布を行う。
1月31日から始めた剪定は、諸々の事情により途中で作業が中断したこともあって、なんと4月11日までかかってしまった。今年は春剪定に一時的に移行したということにしておこう。
しかし、この背負い式防除機(タンク容量15リットルの電動スプレイヤー)を背負ってスプレーしていると、あぁ今年もいよいよシーズンが始まったんだなと季節がまためぐってきたことを実感する。今年も無事に春を迎えることができた、ある種の喜びを感じているのだろうか。
農作業というものは、1年を通じて毎年同じ工程を繰り返す。その年の天候、樹勢、栽培の方針転換等により多少のアレンジをするのだけれど、基本はルーティンというか変えない部分が多くを占める。世話をする相手方も毎年この時期に樹液が上がり、芽が膨らみ、葉が開き、花が咲いたら実が成る。秋になれば果実は熟し、葉が紅葉して落葉すると冬を迎える。シンプルに毎年、この繰り返しである。そして栽培の結果は、毎年微妙に異なる。面白いねぇ。

今年も、いつものように芽が膨らんできた。そして、樹が生きて冬を越したことに安心するのである。剪定したときに、断面が鮮やかな緑色をしているので、その時点で樹自体は枯死していないことは確認できるのだが。