
朝5時半、ハウス内の圃場を見回っていると溢泌現象(写真)に出会った。根から吸い上げられた水が正常に蒸散していれば、早朝に見られる初夏の風物詩だ。挿し木した苗木床に、今日は午前中の手潅水(散水)を、いつもの時間帯(8時過ぎ)にできないので、早朝にやって来た。周りは工業団地だから、むしろ朝の早い時間帯の方が静かで空気もひんやりしていて清々しく、じっくりと落ち着いて観察するにはもってこいである。
昨シーズンは、土壌表面が乾いているからといって潅水頻度と潅水量がともに多すぎたみたいで、新梢の節間が徒長してしまった。今年は、焼けない程度に水やりをしぼり、節間の短い引き締まった穂木を採取したいと考えている。水を極限まで与えないスパルタ栽培方式となるため、この溢泌現象がとても重要なバロメーターになってくるのだ。水が足りていればこうして葉の先端から水の玉がしたたり落ちてくる。植物の管理には、足をまめに運んで観察し手入れを怠らず日々向き合うことが大切だ。ただし自分の世話できる範囲を超えないで。規模や量は追わずに品質を極める。


