収穫と次年度の準備

(2020年度の最終糖度測定)
気温観測上、これ以上果実の成熟に必要な日中の平均気温が10℃を上回る日がありませんので果実の回収と糖度チェックです。

シャルドネ:どう頑張ってもBrixは19.5°。
ツヴァイゲルト:Brix18°

次年度の植え付けに向けて、南西斜面の開拓に入っております。およそ2年かけてセイタカアワダチソウの類いを駆逐し、硬く引き締まった土壌を粗起こし。イネ科の草、多年生の草本が繁っていた所はより硬く、クローバーが繁茂していた場所は柔らかくホクホクした土層でした。油圧のバックホー、トラクターなどで耕せば一瞬で終わる作業だと思いますが、耕起する面積も狭いので、あえて剣先スコップ一丁でひたすら天地返しの筋掘り。10月も半ばを過ぎ、何もしなければ秋風が少し肌寒く感じる頃ですが、晩秋の西陽を浴びながらの作業で汗だくになりました。そして土の硬さ軟かさを感じ取れる貴重な瞬間です。地面と対話しながら作業を進めます。すでにミミズが土中を通過して、ある程度耕した跡が、丸い穴として掘り返した土の塊断面に見ることができます。

土に空気を送り、腐食と馴染ませひと冬寝かせます。

品種と糖度と土地選び

あまり写真の画質が良くなく、お見苦しい点をお許しください。今日は、草刈りを終えると果実の熟し加減を見て食べて確認してきました。果実にとっては、風当たりが強く決して条件の良い畑条件ではありません。一つの指標として見ていただければ幸いです。

シャルドネ、ピノ ・ノワール、ツヴァイゲルトレーヴェの順に食味チェック。シャルドネはまだ酸が効いている。ピノ は、酸は落ちた感じだが糖度もさほど上がっていないようだけど高貴かつ上品な甘みとほのかな旨みを感じた。直後に、隣に植ってるツヴァイゲルトレーヴェを確認すると、最も甘く感じる。出来損ないの房をピッキングしてきましたので、軽めです。状態の良いものは一房130gは超えるような超えないような。

果実を採取し、会社4階の研究室に持ち込む。先日届いた簡易糖度計の度数補正確認後、果汁を糖度計のガラス面に数滴絞り垂らす。20度くらいいっちゃってたらどうしよう!?などと浮かれた希望観測的な気持ちが僅かに沸き起こるが、その素人的な思い上がりはすぐに打ち砕かれた。Brix 16.5度、9月28日の北広島市におけるツヴァイゲルトレーヴェ、比較的夏場は苫小牧方面からの冷涼湿潤な南東の風を受ける環境で育つ当該品種の現時点での糖度です。アルコール度数8%ほどのライトなランブルスコ風味の微発砲ワインなら醸造可能か?

道内では、ワイン用ブドウ収穫の便りが、届き始めました。各地域、同時点での品種別糖度・酸とのバランスなどが数値でリアルタイムでマッピングされシェアされたら、よりアカデミックなアプローチができるのではないでしょうか。

栗

畑の脇の栗の木🌰を見ると、秋を感じます。

9月中旬のブドウ畑

雨で果実の一部が裂果していましたが、肥大着色共に概ね良好。より多くの太陽光を浴びられるよう、果実周辺を除葉してあります。

ツヴァイゲルトレーヴェ
ツヴァイゲルトレーヴェ

シャルドネ
シャルドネ。果皮軟化とともに少しづつ半透明状に変化

植えて2年目になるカベルネ・フランは9月上旬の冷気で葉が紅葉し、縮れて落葉してしまった。しかし来年(2021年)の結果母枝としては申し分のない伸長・太さとなった。ピノ・グリはまだそれほど酷くなくまだ葉は青々としている。ケルナーも新梢がそこそこ伸びて熟枝となってきたが、葉の落葉・縮れ・黒変が目立つ。昼夜温度差・風の強さがこれらのヴィ二フェラ種には不向きの土地柄と思われる。殺菌・殺虫剤は最小限の散布なので、カスミカメ、スリップスやコガネムシによる食害、ケルナーでは黒糖病の症状が見られる。やはり石灰硫黄合材、ICボルドーなど予防散布未実施なので葉が軟らかく病害虫にとっては格好のご馳走。本州に比べ湿度が低い北海道とはいえ、これら欧州品種は薬漬けにしないと駄目なのか。しかも、近年は7月~9月に蒸し暑い日が多くなり(昨年ようやく自宅居間にクーラーを設置した)、生育期間中の湿度が増している。今後の良質なワイン造りのためにも、栽培家の労力的・金銭的な負担を軽減するためにも、栽培方法・品種改良や栽培品種再選定など中長期的な対策・対応が必要と察する。


一方で、ほぼ同条件ながら、植えて3年目となるシルヴァーナーは葉と新梢については、カビ系の病気に耐性があるように見える。他のヨーロッパ品種に比べ明らかに新梢と葉が健全に育ち、経済栽培の可能性を感じさせる(昨年、根をいじったので着果はもうしばらく先になる)。

カベルネフラン
カベルネフラン禿気味


シルヴァーナー
シルヴァーナー

むろんヤマブドウ(アムレンシス系)交配種や台木においては、コガネムシやテッポウムシの食害がある程度でヴィ二フェラ種に見られるような細菌が引き起こす症状は皆無。9月中旬でも新葉新梢はみずみずしく艶やかに青々と茂っている。

New Normalな選果場

物置兼作業小屋の整理整頓、清掃を行いました。
本年度のイチゴ苗選果作業は時節柄、対面での作業を避けるため壁に向かって座る様式に変更いたします。参集いただくスタッフの皆さまにはウイルスフリー苗の取り扱い上、手指のアルコール消毒・靴底の塩素殺菌は従来通り実施させて頂きますが、今年はコロナウィルス対策としてマスクの着用が必須条件となります。このところ新規感染者数は抑えられているようですが、11月中旬~下旬の作業期間は気温の低下と共に風邪なども流行りはじめる時期なので、用心してし過ぎることはないのかもしれませんね。

作業小屋内部
作業小屋2

3年前に小屋を建てておいて良かった・・・。それ以前は、ビニールハウス内の小スペースに台を囲んでの作業(密で狭く寒い)、その後9帖ほどのスーパーハウスに割とギュウギュウ詰めに座って頂き選果するという環境(暖かいけど密)は、コロナ禍では完全にアウト!

家庭や職場でのリスクマネジメントは、何もない(起きていない)ときに、いかに想像力を働かせ、先行して環境整備ができるかに尽きます。金銭的にも貸借対照表では、危機管理費用としてある一定の額を常に予算(内部留保から)として取っておくことも忘れてはなりません。決算状況によりやむを得ず増減することがありますが・・・。

9月、収穫直前の重要月。

秋空
まだ夏の名残りある秋空を見上げる(@北広島市西の里)

葡萄畑でヴェレゾン(果皮の軟化、果実の熟成、酸度が下がり糖度が増す)が始まったかと思えば、四季成りイチゴのすずあかね(主に夏秋取り)苗圃場では、今秋の納品用子苗床への潅水が始まりました。

すずあかね苗
すずあかね苗床

ようやくヴェレゾン期

我々の小さな圃場のワイン用ブドウ(ヴィ二フェラ種)が色づきはじめました。まだ先週は、青かった(緑色)をしていたのに!当畑、初のヴェレゾンです。

veraison
ツヴァイゲルト/5BB

(品種・台木・畑の環境条件等により異なるとは思いますが)大まかに長野県などでは7月下旬、余市町・仁木町は8月の始めから中旬にはヴェレゾンが始まるようですが、この地は8月末~9月の始めにようやく熟れ始めることが分かりました(今年の天候によりけり)。上の写真はツヴァイゲルトですが、白ワイン用のシャルドネも果皮の軟化が始まりました。

冷涼な風が吹き抜ける畑なので、地温が奪われやすく有効積算温度の累積も1ヶ月遅い…ということですね。お盆過ぎの暑さから一転、ここ1週間ほどは夜温が10℃代まで下がりましたから、それも関係しているのでしょうか。いやはや、百聞は一見に如かず、“百悩(考)よりも実践”です。良くも悪くも、結果が出ないことにはどうしようもなく、行動に移すことの大事さなり。

試験圃場での試験栽培(耐久試験)は、PDCAを回すことに他なりません。もちろん、事前調査は必要ですがプロジェクトのビジョンに対して戦略戦術を立て、何をどの段階で仕込み始めるか。結果が出るまで時間の要すものであれば、早期に仕込むこと(対象)の見極めが肝心です。判断材料としての事前調査と知識、仮説・証明(実践を伴う)そして経過、結果により(フィードバック)、また情報収集過程で得られたことからヒントまたは課題に対する解決策(当初の戦術と異なることでも)が、今後の進行や事業内容、商品化するものを決めることになります。しかしながら、あまり理屈っぽいのもあれですから、第六感、感性、直感、根拠のない自信なんかも大切だなぁと思います。

何はともあれ、非常にメデタイというか縁起が良い、深い意味は無いけれど、今までの苦労が報われるような、失望(失意)のどん底に沈んだ心が一瞬で救われる気分、そんな有り難い気持ちになったのでした・・・。
それは、つまりここでは果実は熟さないだろうという悲観的予測に反して、現段階では良い経過を確認したためです。昨年こちらでは、10℃以上の有効積算温度が1,200℃を超えたのが10月中旬。霜が降りる前までに、果実糖度は果たして何度まで上昇するのか調査のし甲斐があります。

緑・ピンク・紫の玉粒が房の中でひしめき合って輝いている様は、まさに自然が産み出す芸術作品です。

四季成りイチゴ「すずあかね」の苗圃場

イチゴ苗圃場

今シーズン、とても天気が良いのはありがたいのですが日照りと高温による乾燥、すなわち潅水不足に気を付けなくてはならない年でもあります。

親苗床の培地が乾きだすと、潅水チューブでの潅水量を増やしたところで、なかなか水が行きわたりません。日の当たる株元はどうしても乾きがちで、根鉢もパンパンになってますから株元への手潅水を実施。それが呼び水となり、培地乾燥が一気に解消しました。

9月上旬も暑くなりそうとの予報です。ランナーの先端までしっかり水が行き渡るよう、潅水量は多めの設定で1~2週間様子をみます。

ポートランドの軟化

ポートランド
ポートランド、恐らく。

樹齢20年のポートランドと思しき白ブドウ。春先に強剪定した後は、比較的ワイルドに管理している。甚だ強健で育てやすいと言われるだけあって、その辺にぶん投げてあった剪定枝から新梢が大地を這ってきたりして、生命力に満ち溢れている。

2020年8月25日現在、果実のほとんどはまだ堅いままだが、一部で軟化が始まった。早速一粒食べてみる。酸味はなく、まだすごく甘いというわけでもない。糖度計で測ったわけでもないのだが、舌の感覚だとは9.5〜10度くらいではなかろうか。酸味が少ないこの品種特性ゆえにそう感じるのかもしれず、実際はもう少し低いのかもしれない。

葉はコガネムシの食害に遭っているが、黒とう病や灰カビも発症せず、殺菌殺虫剤も最小限の施用または無実施にも関わらず、しっかりと実をつける。北米交配種は日本の湿潤な気候にも適応し、さすが強い!

オーガニックというより放ったらかし栽培のポートランド

野草の復活

ゲンノショウコ
自生するゲンノショウコ

先日、畑で猛威を奮っていた外来種(帰化植物)であるオオアワダチソウを刈り、その後に緑肥植物の種を播種した旨をお知らせした。しかし、本来であれば自生する草本を生やすべきである。持続可能(サステイナブル)な状態にもっていくならば、敢えて元来そこに生えていないもので、地面を覆い尽くしてしまうのもなんなのかもしれない。

さて、オオアワダチソウが刈られて低い草丈の野草が目立つようになってきた。なかでも一際目にするのが、上の写真のゲンノショウコ(フウロソウの一種)である。ググるとwikipediaの説明が分かりやすい。昔から下痢止めなど整腸作用のある薬草として用いられていたようである。お腹の弱い男子諸君には有難いものではなかろうか。葉や茎などを乾燥させお茶のようにして飲用服用するそうであるが、飲み過ぎても便秘になったりすることもなく安心して飲めそうである。日本全国に見られ、静岡県の富士川を境に西は青花、東は白花が咲くと記されている。北海道北広島市の圃場に咲くのも白花である。控えめに咲く白い小さな花がなんとも愛らしい。

カバープランツ(緑肥)の播種

緑肥の趣旨混ぜ合わせ

遊休地一面に生えた外来植物のオオアワダチソウを地際で刈り取ったあと、緑肥の混合種子を2反ほどの面積に播種しました。白クローバー(アバパール)、ヘアリーベッチ(豆助)、ライ麦(春一番)、ケンタッキーブルーグラス(サンビーム)を適当な割合でブレンドしたもです。一年草のものを除き、来年以降の被覆植物となりますが、アワダチソウがある程度駆除されれば(劣勢になれば)、在来の雑草などの植生も回復してくるでしょう。来年新たにブドウ苗木を露地植え試験する場所ですが、このように地味ながらもインフラ整備作業を平行しており、なかなかの多忙を極めております。