(Frontenac gris x MN1234)

最強にして最良の白ワイン用寒冷地ブドウ!?
2017年にリリースされた新しい品種。ミネソタ州北西部のミシシッピ川源流にあたるアイタスカ湖(Lake Itasca)にちなんで命名された。耐寒性に優れ、しかも高品質な果実特性が化学的な分析により証明されている。ハイブリット系では珍しく低い酸度ながら病害虫に耐性があるなど際立った特徴をもつ。
[特徴]
特筆すべきはその耐寒性の高さ。-35℃で主芽の生存率は60%。-33℃では8割もの芽が凍害を受けずに越冬することができる。当然ながら雪の下に枝伏せしたり、樹幹を土に埋もれさせるなどといった労力を必要とする冬季の養生は一切不要である。ワインは、リンゴ、マルメロ、メロン、柑橘、洋ナシ、グースベリー、スターフルーツ、ハチミツやミネラルなど幅広くその風味が表現される。気候、天候、栽培地、醸造スタイルによってどのようなワインに仕上げるのか、非常に興味深くこれからが楽しみな品種である。他のハイブリッド種やソーヴィニヨン・ブランなどとのブレンドにも適しているようだ。
[耐寒性/耐湿性/要求有効積算温度]
耐寒性:USDAハーディネスゾーンは、Z4。
有効積算温度:1100℃(GDDs-Growing Degree Daysの略)以上
[樹勢]
中程度~強い。複芽が良く芽吹くので、芽欠き必要。
[芽吹きと収穫のタイミング]
芽吹きはMarquetteよりわずかに遅い。収穫期は、逆にLa Crescent やMarquetteよりわずかに早い。24.7~28.2゜Brix、ph3.04~3.3、滴定酸度(TA)8.7~10.8g/Lが収穫の目安。

[栽培]
仕立てはSingle High-Wire (シングルワイヤー)またはVSPどちらも可。葉欠きにより果実に陽をよく当てる。
[耐病性]
うどんこ病、べと病、フィロキセラ(葉の症状)に強い耐性がある。しかしながら、多雨・高温多湿な気象条件の年は、黒とう病の発生著しいので生育初期の殺菌剤散布が肝要。
©Hokuzen Co., Ltd.