無名の万年青

万年青
羅紗の縞覆輪か胡麻斑なのか

 2023年8月上旬、行きつけのホームセンターで売られていた万年青。この時期になると、ガーデニングのシーズンも終盤に差し掛かり、野菜や花苗が処分価格で売られている。この万年青も見切り品コーナーに並べられており、2千円前後の定価だったようだが3割ほど値引かれていた。

 初めて見るおもと(万年青と書いて、おもとと読む)の葉の厚さや何とも言えない縞模様に味わい深さを感じた。その時は、買うことなく店を後にしたのだが、1週間ほど経ってどうしても気になって仕方なかったので、再度店を訪れた。幸いまだ売れ残っていたので鉢を手に取り買い上げる決心をした。こういう時は、決まって自分に言い聞かせる言葉がある。「この子は、自分に買ってくれと言っている。私に飼われる(買われる)ために、売れ残っていたのだ」と。きっと何かしらの縁があって、運命の出会いなのだろう、と思わせて頂く。

 さて、当時はおもとの品種名や特徴、柄や育て方などの知識はまったく持ち合わせておらず、ただ枯らさないよう水をやったり葉が焼けないように日陰で育てた。ただの万年青という名前だけで売られていたので、何かの実生木なのか日本おもと協会に品種登録されている普及種なのかまったく見当がつかない。薄葉にしては肉厚だが羅紗にしては葉肉薄く、しかも葉が長い。葉肉の厚い実親から生まれた実生か?柄も縞覆輪のように見えるが、胡麻斑がちりばめられているようにも見える。売られていたホームセンターの名称から発想して、喜満鳳と名付けてみようか。

 この万年青、思いっきり日本の伝統園芸植物なのだけれど、意外にも洋風インテリアと親和性がある。

万年青とナチュラル・アンティークなインテリア

 晩秋まで外の日陰に置いていたが、冬場に氷点下10℃以下の外気にさらされて凍結&枯らすわけにもいかいなので、朝晩1~2℃ほどの無暖房の屋内で、すりガラス越しに冬のやわらかい日が差し込む窓辺に置いている。水はほとんどやらず(多分数週間に一度)、忘れた頃にたっぷり与えているが今のところ枯れてる感じはしない。